2012年12月号

9月9日にNHKスペシャルで「追跡 復興予算19兆円」という番組を見た。実際の取材に基づき見応えのある番組に仕上がっていた。大震災後、被災地復興のためにつぎ込まれる巨額の復興予算。私たちへの増税を前提としてつぎこまれることになった「復興予算」はいったいどのように流れ、ごとに使われているのか・・それをテーマに番組は進められた。◆番組は沖縄の新設の国道が「復興予算」を使われて建設されていることを紹介。いきなり衝撃をうける。何故?信じられないままに番組を見ていると、その他衝撃の事実の数々が紹介されていく。どこかの刑務所では再犯防止のための職業訓練と称して予算が使われている。また国立競技場では3億円の修理費用が「復興予算」を使う。岐阜のコンタクトレンズメーカーは、この予算を使って工場の増築をしていた。え?民間の企業が復興予算?本当にびっくりの連続だった。警察庁だったか警視庁だったか、テロ対策のために車両14台を復興予算で購入。キズナプロジェクトと称して海外から研修生を呼び、食費や宿泊費、そして観光させるための費用をこの復興予算を使う・・・もう絶句!!!◆何故このような使い方がまかり通るのか?それは東日本震災復興対策本部が昨年の7月に表した「復興の基本方針」にその根拠があるという。その方針の「基本的考え方」にこんな一文がある。「今回の東日本大震災は、・・・・・震災の影響が広く全国に及んでいるという点において、正に未曾有の困難である。国は、このような認識の下、被災地域における社会経済の再生及び生活の再建と活力ある日本の再生のため、国の総力を挙げて、東日本大震災からの復旧、そして将来を見据えた復興へと取り組みを進めていかなければならない。」◆活力ある日本の再生するために、岐阜のコンタクトレンズメーカーは工場を増築する。たくさんコンタクトレンズを作れば、被災地の仙台にある店舗で地元の雇用が生まれるからとのこと。活力ある日本の再生のために、刑務所で再犯防止のための職業訓練を必要とする。活力ある日本を再生するために・・・。なんというこじつけ。これが今の日本の実態なのか・・。憤りを通り越して、とても悲しい現実である。◆このような予算が、分析した結果、全体の25%ぐらい復興予算と関係ないと思われる使い方があるらしい。我が官僚たちは私たちの税金の分捕り合戦をしているような様相が見え隠れする。自分の省庁に少しでも多くを、大義はどうでもいい、まずは予算を増やす。大義を実現することが目的ではなく、国民のために何が最も重要なことかと考えることが目指すところでもなく、彼らの目標はただただひたすら予算を取る、そのことだけが目標化しているに感じる。◆それにしても「仕分け」までして予算に厳しく対していた現政権は何をしていたのか?省庁の大臣、副大臣、政務次官は何をしていたのか?それでも彼らは予算については全く知らされずに官僚任せなのか?◆それと最後にもう一つ言いたい。マスコミは何をやっていたのか?NHKが取り上げてから、今、世間がこの問題で騒がしくなった。しかし、この問題は昨年末からすでに予算が配分されて使われている。その現実を考えると、権力を監視する役割のマスコミが、いち早くこの事実を掌握しなければならないはず。なのに、現実は政局の取材合戦。政局よりももっと大切な事柄が国会内にある・・・そのことをつくづく知らされた番組でもあった。