■日本初、福井県勝山市で原始鳥類の全身化石を発見!
福井県立恐竜博物館(勝山市)は先月5日、同市北谷町にある約1億2千万年前の白亜紀前期の地層から、原始的な鳥類の全身骨格化石が見つかったと発表したそうです。同博物館によれば、同様の全身化石は中国で確認されているが、同国以外では初めてのことなんだそうです。同博物館は「恐竜から続く原始的な鳥類の進化や分布を知る上で、極めて重要な手がかりになる」として、今後詳細な研究を進めるとのこと、だそうです。
■発見されたのは2013年8月
化石は、第4次発掘調査中の2013年8月、同市北谷町杉山の手取層群北谷層で発見されました。縦32センチ、横21センチの岩石に、四肢、ヒトの鎖骨に相当する叉骨(さこつ)、肋骨(ろっこつ)など、同一個体と考えられる骨を100以上確認でき、大腿骨(だいたいこつ)より長い上腕骨(じょうわんこつ)や、発達した叉骨などから鳥類と判断したそうです。全長約60センチ、翼を広げると1メートルほど。鳥の起源とされる始祖鳥に近い「サペオルニス」のなかまと推定されているのですが、前脚と後脚の長さの比率から、新種である可能性も十分にあるのだそうです。
今回は、骨が平面に集まらずに、立体的に保存されていたのが特徴で、こうした見つかり方は世界的にも稀なのだとか。まだ岩石内に残っている骨を含め、クリーニングやCT(コンピューター断層撮影)スキャンを重ね、分析を進めていく方針だそうです。
■恐竜化石発掘地、勝山市とは!?
勝山市北谷町の杉山川の上流にある恐竜化石発掘地では、平成元年から恐竜化石発掘調査事業が行なわれています。これまでフクイサウルス、フクイラプトル、フクイティタンなど新種の恐竜化石が発見されました。その発掘現場近くに2014年7月に野外恐竜博物館がオープンしました。恐竜の足跡化石の剥ぎ取りや発掘地の成果が展示されています。展望台からは、1989年(平成元年)から継続して恐竜化石含有層を発掘している歴史が一目瞭然であるとともに、地層中の堆積構造、断層、古土壌などの観察をすることができます。また、化石発掘体験も行うことができます。(※恐竜化石発掘地へは、福井県立恐竜博物館前からの専用シャトルバス(要予約)でのみ行くことができます。)